神戸大学のルミアナ ツェンコバ博士によってアクアフォトミクスという新たな研究領域が創出されています。
水分子は、酸素と水素という2つの元素が水素結合した単純な化合物と思われてきました。しかしながら、以前から単純だが不思議な物質として知られていました。それは、普通の物質は、熱すれば膨張し同じ体積であれば質量は軽くなりますが、つまり冷やせば質量は重くなるわけですが、水の最大質量は4℃で、それより冷たくなると逆に軽くなります。だから氷が浮くわけで、北海道など寒い地方では冬に湖の表面が凍るので、ワカサギの穴釣りやアイススケートが楽しめるわけです。
話が横道にそれましたが、水の電磁スペクトル解析によって色々なことが分かってきています。水は情報を記憶するというと、それって本当なの?怪しそう?と思うかもしれませんね。だって地球表面の70%以上を覆い、人体の60~70%を占めるのは水、ありふらた単純な化合物なので無理もありません。
この研究の始まりは、ツェンコバ博士が健康な牛と乳房炎の牛から摂取した牛乳の近赤外スペクトルデータにおいて、水の吸収バンド(1440nmと1912nm)に差異があることを発見したことが切っ掛けとなっています。つまり、牛乳の近赤外スペクトル解析を行うことで、牛の健康状態を把握できるという画期的な発見だったわけです。
病変は水の構造に影響を及す、これは何も牛だけに限ったことではなく、人間にも応用できそうです。人体の水分子の近赤外スペクトルデータを解析すれば健康状態が把握でき、病気の早期発見につながるかもしれません。
続きは次回。