水の味は、水に含まれる成分の量とそのバランスによって決まります。
①ミネラル
水の味を良くする成分としては、ミネラルが挙げられます。カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄、マンガンなどの鉱物質の総量のことで、だいたい1ℓ中に100mg程度含まれる水がまろやかで美味しい味となります。
②硬度
硬度とは、水に含まれるカルシウムとマグネシウムの合計量をいいます。硬度が高い水が硬水で、低い水が軟水です。硬水は硬くてしつこい味、軟水は淡白でくせのない味です。どれくらいが適量かといえば、1ℓに10~100mg、50mg前後が多くの日本人に好まれます。日本の水道水の硬度は20~80mg/ℓの軟水で、ヨーロッパの水は200~400mg/ℓの硬水が一般的です。
なお、煮沸するとなくなってしまう一時硬度と煮沸してもなくならない永久硬度があり、ヨーロッパの水は永久硬度が多く含まれるため緑茶のうまみ成分や色が出にくく不味いお茶になります。硬水に慣れていない日本人は飲むと下痢をすると言われます。
③炭酸ガス(遊離炭酸)
炭酸ガス(二酸化炭素)も水をおいしくする成分です。浅井戸や湧水などの地下水に含まれ、水に新鮮でさわやかな味を与えます。適量は水1ℓ中に3~30mgの範囲です。
④酸素
水に溶けている酸素の量も水の味を左右します。酸素を含まない水は新鮮味のない死んだ味となり、酸素を多く含む水は清涼感のある味わいになります。水1ℓに5mg以上含まれることが必要です。